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【戦略】日本工営、英国の電力系統で周波数自動調整サービス(FFR)を提供/蓄電池制御システム『NK-EMS』を独自に開発

2018.03.02 トピック


 2018年02月22日、日本工営株式会社(以下、「日本工営」)は電力系統において需給バランス調整や周波数維持を行う蓄電池制御システム『NK-EMS』を独自に開発し、2018年02月より英国の電力会社を対象に周波数調整サービスの提供を開始すると発表した。

 周波数変動に対する蓄電池制御システム『NK-EMS』は電力系統における周波数の変動を読み取り、周波数が低下した際には放電を、逆に上昇した際には充電することで規定範囲内の周波数に自動制御(FFR:Firm frequency Response)する。日本工営の電力設備の製造拠点である日本工営福島事業所にて独自に開発された。

 NK-EMSは周波数調整や供給力提供を機能として持っている。そのほかに、ピークカットやピークシフトなど様々な再生可能エネルギーとの連携制御を可能にするマルチサービス機能を組込むことができる。今後は各蓄電池メーカーの製品にも接続可能なマルチベンダー対応を図る方針だ。

(出典:日本工営株式会社)

 2018年01月末、英国の大手送電事業会社であるナショナルグリッド社がNK-EMSを対象に、同社の試験基準に従った実機接続試験を行った。NK-EMSと米国製の蓄電システムを用いて試験は行われ、要求仕様に合格したことからナショナルグリッド社へのFFRサービス提供が実現した。今後、NK-EMSは英国サウス・ウェールズに設置し、周波数調整サービスの提供に加え、「容量市場」に対してピーク需要時の供給力確保にも対応する。

 (サービス概要図 出典:日本工営株式会社)

 日本国内でも太陽光や風力発電などの自然変動電源の導入が進んでおり、調整力の需要が高まっている。国も海外事例も踏まえ、2020年を目途に柔軟な調整力の調達や取引を行うことができる市場(リアルタイム市場)を創設したい考えがある。

 日本工営では、蓄電池を活用したビジネスはエネルギーマネジメント事業の中核となる技術と見ており、電力品質維持サービスで先行する英国で制度、技術、事業運営に関わるノウハウを蓄積する方針である。ノウハウを活かして、エネルギーマネジメントに関するハード・ソフト両面からサービス提供を図ると同時に、分散電源や蓄電設備などのEPC業務の受注へ繋げたい考えだ。 

*アイキャッチ 出典:日本工営株式会社

【情報ソース】
日本工営、電力周波数調整向け蓄電池制御システムを開発~英国にて周波数サービスを提供開始~(*PDFファイルが開きます、353KB)、2018年02月22日、日本工営株式会社
Firm frequency response(FFR)、national grid UK

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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