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【開発】京セラなど、長崎県・五島列島で営農併設型太陽光発電所(480MW)の着工に向け再始動/みずほ銀行と十八銀行がプロジェクトファイナンスとりまとめ

2018.01.26 事業参画・売買レポート


 2018年01月24日、株式会社九電工(以下、「九電工」)、京セラ株式会社(以下、「京セラ」)、株式会社みずほ銀行(以下、「みずほ銀行」)は長崎県佐世保市宇久島で開発が検討されていた太陽光発電事業について、新たに事業会社を設立し、2018年度の工事着工を目指して再始動させることを発表した。SPCG Public Company Limited(本社:タイ、以下「SPCG社」)、東京センチュリー株式会社(以下、「東京センチュリー」)、古河電気工業株式会社(以下、「古河電気工業」)、坪井工業株式会社(以下、「坪井工業」)、株式会社十八銀行(以下、「十八銀行」)の5社との共同での発表。

長崎県佐世保市宇久島

 

 当該事業は独の太陽光発電開発会社であるフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社(以下、「PVDP社」)が、2013年04月から長崎県佐世保市宇久島にて、島の経済の活性化や再生を目的にメガソーラープロジェクトとして開始したものである。2014年06月にはPVDP社の他に、京セラ、九電工、オリックス、みずほ銀行の5社で開発に向けて基本合意に至っていた。

 今回の発表によると、PVDP社とオリックスが抜け、SPCG社、東京センチュリー、古河電気工業、坪井工業、十八銀行が新たに事業参画する。そして、現時点での事業参画者の中から新たに発電事業のSPC『宇久島みらいエネルギーホールディングス合同会社』を設立し、事業に係る権利等をPVDP社から新SPCに移転する。新しい太陽光発電事業としての再スタートとなるようだ。みずほ銀行と十八銀行は資金調達におけるプロジェクトファイナンスの取りまとめを行う。

(事業計画のスキーム(案) 出典:京セラ株式会社)

 計画によると、事業内容は太陽光発電と営農を同時に行う営農併設型太陽光発電事業である。一部農地に支柱を立て、上部空間に太陽光発電設備を設置することで、発電所内での営農が可能となる。

 開発対象の敷地は、土地管理を行う会社が農地や耕作放棄地などの土地所有者から借り受け、発電事業者『宇久島みらいエネルギー合同会社』(宇久島みらいエネルギーホールディングス合同会社の子会社。)に転貸される。宇久島エネルギー合同会社は借り受けた敷地に太陽光発電所を建設し、発電事業を行う。総投資額は2,000億円となる見込みで、前回の計画からは500億円ほど上振れた。2018年度内での工事着工を目指す。

 太陽光発電池は京セラ製の多結晶シリコン型高出力モジュールを採用し、出力480MW分の165万枚を設置する。年間発電量は約51.5万MWhとなる計画で、一般家庭の使用電力に換算すると(*)、17万3,000世帯相当となる。発電された電力は固定価格取引制度に基づき、九州電力に売電する。離島であるため、宇久島と本土との間に約64kmの海底ケーブルも敷設する。

(*)1世帯当たり2,973.6kWh/年で算出(出典:一般財団法人日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」)

 宇久島みらいエネルギー合同会社は土地管理会社に用地の賃借料のほかに、営農支援金も支払う。土地管理会社を通じて、畜産農家などへ農作業委託する形で営農部分の進め方を考えているようだ。長崎県や佐世保市、地元関係者などと協力しながら、自然環境に配慮した太陽光発電設備の設置場所や方法等についての検討も進める方針。

(仮称)宇久島メガソーラー事業の概要
 

事業名称(仮称)宇久島メガソーラー事業
参加企業検討中
((株)九電工、京セラ(株)、SPCG Public Company Limited、東京センチュリー(株)、古河電気工業(株)、坪井工業(株)、(株)みずほ銀行、(株)十八銀行の予定)
発電能力太陽光発電システム 480MW
年間発電量51.5万MWhを予測
(一般家庭約17万3,000世帯分の年間発電量に相当、1世帯当り2,973.6kWh/年で算出 出典:一般財団法人日本原子力文化財団「原子力 · エネルギー図面集」)
年間CO2削減量約27万4,750t
(一般社団法人太陽光発電協会「表示に関する業界自主ルール」に基づいて算出)
建設予定地長崎県佐世保市宇久島 (島面積:2,493万m2、人口:約2,000人)
総投資額2,000億円程度になる計画
今後の予定2018年度 着工

*アイキャッチ 出典:京セラ株式会社

【情報ソース】
長崎県佐世保市宇久島での太陽光発電事業の検討に関する進捗、2018年01月24日、京セラ株式会社(株式会社九電工、京セラ株式会社、SPCG Public Company Limited、東京センチュリー株式会社、古河電気工業株式会社、坪井工業株式会社、株式会社みずほ銀行、株式会社十八銀行による共同発表)
長崎県佐世保市宇久島での太陽光発電事業の検討に関する基本合意、2014年06月12日、京セラ株式会社(フォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社、京セラ株式会社、株式会社九電工、オリックス株式会社、株式会社みずほ銀行による共同発表)
Ukujima、Photovolt Development Partners GmbH

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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