【コンセッション】オリックス・ヴァンシに関西国際空港コンセッションの優先交渉権

2015.11.16 コンセッション


 新関西国際空港は2015年11月10日、オリックス/ヴァンシ・エアポートコンソーシアム(代表企業:オリックス、構成員:ヴァンシ・エアポート、その他30社)を、公共施設等運営権(コンセッション)方式による関西国際空港及び大阪国際空港特定空港運営事業等の優先交渉権者に選定した。
 事業期間は、本事業が開始された日(2016年4月予定)から、2060 年3 月31 日までの44年間。事業運営者は毎年、運営権対価(年額372億7500万円)および収益連動負担金(収益1500 億円を超過した金額の3%分)を支払うほか、履行保証金1750 億円、株式・動産等の譲渡対価314億円を負担する。さらに、固定資産税等の負担金および許認可等費用の負担金も支払う。
 なお、運営開始時に同コンソーシアムが調達する資金は、履行保証金(1750億円)、株式・動産等の譲渡対価(314億円)のほか、運転資金等536億円を併せて計2600億円である。これをシニアローン1600億円(3大メガバンク等、30年借入)、メザニンローン200億円(民間資金等活用事業推進機構、35年借入)、株主出資800億円(オリックスとヴァンシ・エアポートが320億円ずつ、その他30社が160億円)で賄う。

●事業の概要

figure01afigure03(資料:オリックス株式会社、VINCI Airports S.A.S.)

事業計画のポイントは以下である。

(1) 航空系事業については、エアラインをはじめとしたマーケティング機能の強化、インセンティブスキームの見直し等の戦略的料金設定等による更なる路線誘致やLCC(格安航空会社) および貨物エアラインの拠点化促進を図る。

(2) 非航空系事業については、インバウンド旅客のニーズにマッチした国際的に知名度の高いブランドや関西特有の店舗の誘致、商業エリアの回遊性の向上に資する旅客動線の最適化等のターミナルレイアウト見直し等、商業事業の収益増加を図る。また、安全・安心の強化および都市型先進空港を実現する現在の大阪国際空港ターミナルビル改修を引き継いだ上で、ビジネス旅客の需要に対応するため迅速かつ効率的な物販・飲食店舗の運営を推進する。

(3) 旅客満足度向上に向けて、関係者と連携し、搭乗手続きに要する時間の最小化等、オペレーション全体の最適化を図る。

(4) 安全・安心を最優先し、法令等の順守等、現状の安全水準を確保しつつ、施設の予防保全および長寿命化を踏まえた更新投資を着実に実施するとともに、空港の事業継続計画を策定し、大規模災害時の広域防災拠点としての役割を果たす。

(5) 空港のインフラとしての機能と競争力の維持・向上のための更新投資および戦略的投資の設備投資総額は、約9448 億円(年間平均約215 億円)を見込む。

(6) 法令等に基づく騒音対策を実施するとともに、現状の新関空会社が行っている環境対策事業を承継し、着実に実施する。

(7) これまでの地元及び新関空会社間の契約や協定等を引き継ぎ、着実に実施するとともに、地域における様々な自治体・企業・住民等と連携し、共生してくための良好な関係を構築する。

(8) 従業員へのトレーニングプログラムを提供するヴァンシ・アカデミー(VINCI Academy)の活用によって、空港従業員の質の更なる向上を図る。

 上記の事業計画をベースに、関西空港の発着回数は14.2万回(2014年度)から25.5万回(2059年度)へ、旅客数は2004万人(2014年度)から4153万人(2059年度)へと増大させることを見込んでいる。その結果、事業の営業収益は1497億円(2014年度)から2509億円(2059年度)、EBITDA(営業利益+償却費相当)は662億円(2014年度)から1209億円(2059年度)に増加すると見込まれている。

 今後、新関西国際空港は運営事業者と2015年11月に基本協定を締結、12月に運営権の設定、実施契約の締結と進み、2016年3月に事業移管が完了する予定だ。

●航空需要目標

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【情報ソース】
「関西国際空港及び大阪国際空港特定空港運営事業等」の優先交渉権者の選定について、新関西国際空港、2015年11月10日
「関西国際空港及び大阪国際空港特定空港運営事業等実施方針」の公表について、新関西国際空港、2014年7月25日
・ 「関西・大阪(伊丹)両空港の特定空港運営事業等における優先交渉権者の選定に関するお知らせ」、オリックス/ヴァンシ・エアポート、2015年11月

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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