2026.06.07
【寄稿】2026年における蓄電池ビジネス及び太陽光発電ビジネスの展望
2026.05.26 ナレッジ
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本稿では、系統用蓄電池ビジネス及び太陽光発電ビジネスについて、2025年の振り返りと2026年の展望を整理します。
2025年における系統用蓄電池ビジネス
2025年は、系統用蓄電池に関する事業機会が急速に増加した一年でした。このような状況を踏まえ、以下では、系統用蓄電池に関する2025年の重要な動向を整理します。
1. 接続申込みの急増と系統増強の不足
資源エネルギー庁の系統用蓄電池の受付状況に関する資料によれば、2025年6月時点で、接続検討は約1億4300万kW、契約申込みは約1800万kWに達しており、2024年6月と比較して短期間で大きく増加しています。
このような契約申込みの急増は、補助金等の支援措置、卸電力市場・容量市場・需給調整市場といった各種市場における収益機会への期待、長期脱炭素電源オークションを含む政策的インセンティブ等が複合的に作用した結果と考えられます。
他方で、地域によっては接続需要が運用容量を上回っており、従来型の順次接続を前提とした拡大型の枠組みのみでは、脱炭素化の要請と安定的な系統運用を両立させることが難しくなっています。系統容量の増強には、設計、用地取得、工事及び関係者との調整に時間を要するため、短期的に系統不足を解消することは容易ではありません。
2. 追加的な早期連系対策(限定的な充電制限による系統連系の促進)
このような状況を踏まえ、2025年4月に「追加的な早期連系対策」が導入されました。この対策は、一般送配電事業者が系統特性及び設備容量を踏まえて混雑回避のための充電制限時間帯をあらかじめ設定し、蓄電池事業者が当該制限に従うことを前提として、系統増強を行わずに接続を認める枠組みです。設備増強によって運用容量を拡大する従来の考え方と異なり、一定の運用上の時間的制約を受け入れることで、直ちに系統容量を増強することなく接続を可能にする点に特徴があります。
もっとも、追加的な早期連系対策を利用する場合、接続までの期間を短縮できる可能性がある一方で、運用の柔軟性や収益機会が制度上制約され得る点には留意が必要です。
また、実施方法として、日々の制御指令をオンラインで配信する仕組みの構築には時間を要するため、当面は、オフライン環境でも確実に充電を停止できる「システム的な安全性」を事業者が備えていることを前提とする運用が想定されています。これは系統容量の開放を加速する趣旨に沿うものですが、プロジェクトを進めるうえでコスト負担及び技術的難度を高める点にも留意が必要です。
3. 2025年の関連動向(許認可制の明確化・強化、接続規律の実効性向上、及び市場設計の進展)
さらに2025年には、許認可規制の明確化、投機的な容量確保への対応を含む系統接続ルールの実効性向上、及び市場設計の見直しも進展しました。すなわち、系統接続、許認可、安全規制、環境規制及び市場を横断したリスク評価の必要性が、一層明確になっています。
まず、2025年4月8日、国土交通省は、系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いに関する技術的助言を公表しました。
蓄電池施設が危険物貯蔵施設として評価され、第一種特定工作物に該当する場合、当該蓄電池施設設置のために開発行為を行うには、原則として都市計画法29条に基づく許可を要します。また、市街化調整区域における開発行為については、審査がより厳格になります。他方で、蓄電池施設は公益上必要な施設として許可不要の類型に該当し得る余地もあり、発電事業として整理されるか、小売電気事業や特定卸供給事業(アグリゲーション)が関与するか等の事業スキームによって評価が異なり得る点が実務上重要です。
技術的な観点からは、地方公共団体が審査基準の整備を含め、地域の実情に応じて開発許可制度を運用することが促されており、各自治体において施設の取扱いに関する手続の明確化が進んでいます。したがって、プロジェクト初期の段階から、用地利用及び施設の安全性に関する整理と並行して、自治体との事前協議を行うことが、スケジュール及びコストの両面から重要になります。
また、系統用蓄電池の迅速な系統連系を実現しつつ、系統アクセス手続の公平性及び効率性を維持するため、制度設計段階において、以下のような措置が提案され、又は具体化されつつあります。
第一に、接続検討申込みの受付及び審査に関して、事業実現性の低い申込みによる支障を防止するための仕組みが提案され、具体化されつつあります。例えば、2026年1月以降、接続検討申込みの時点で、蓄電池設置場所の登記状況、所有者名及びフォローアップ状況の確認結果を記載した書類の提出が求められることとなりました。これにより、実質的に事業実施が困難と考えられる土地に係る案件など、実現性の低い案件を排除又は減少させることが期待されています。
また、一事業者あたりの接続検討数に上限を設定する枠組みも具体化されています。その目的は、場所取りを目的として多数の申込みを行う事業者が、一般送配電事業者による審査の支障となることを防止することにあります。
さらに、契約申込みの過程では、蓄電池設置場所の使用権限を証する資料(土地登記簿謄本や賃貸借契約書の写し等)を、原則として接続承諾から2か月以内に提出することを求め、当該書類が提出されない場合には接続枠を解除することも検討されています。
これらの強化措置は、受付処理を迅速化し、事業実現性の高い案件を優先して系統に接続させることを目的とするもので、2026年中には運用が開始される予定です。実務的には、単に申込書が提出された案件と、実際に受付が完了した案件とでは、法的・実務的な価値が大きく異なり得ることも意味します。
最後に、需給調整市場を中心とする市場改革も進んでおり、2026年3月13日から新制度が開始される予定です。この点は、2026年の動向として後述します。
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