【投資】東京海上日動、横浜市の浸水対策事業に投資

2025.10.26 事業参画・売買レポート


 2025年10月9日、東京海上日動火災保険株式会社(以下、「東京海上日動」)は水害による損害発生の防止・被害軽減を目的とした水害対策事業を資金使途とする地方債への投資を開始したことを発表した。

 一般的には、投資利回りに応じて投資の経済合理性を判断するが、東京海上日動は投資利回りに加え、インフラ整備等で期待される自然災害の予防や被害の軽減効果も考慮して地方債への投資を行う方針。

 水害対策事業への投資第一弾として、東京海上日動は横浜市の「浸水レジリエンス債」を購入した。これまで横浜市と共同で防災セミナーの開催等によってソフト面からレジリエンス向上に取り組んでいたが、今回の債券の購入によってハード面でのレジリエンスにも取り組んでいく形だ。浸水レジリエンス債の概要は以下の通り。

◯浸水レジリエンス債

発行額総額15億円
東京海上日動の投資額総額15億円
資金使途治水安全度向上のための3件の浸水対策事業
年限10年満期一括償還
条件決定日2025年10月9日
主幹事証券会社ゴールドマン・サックス証券株式会社
 

◯対象事業

事業名地域事業目的
神奈川処理区エキサイトよこはま龍宮橋雨水幹線及び東高島ポンプ場整備事業横浜駅周辺及び東高島
(約140ha)
30年確率降雨に対応する雨水幹線及びポンプ場を整備し、浸水被害の軽減を図る。
西部処理区中田南雨水幹線下水道整備事業泉区中田南地区
(約97ha)
5年確率降雨に対する整備を行い、浸水被害の軽減を図る。
西部処理区中和田雨水幹線下水道整備事業中和田地区
(約104ha)
5年確率降雨に対する整備を行い、浸水被害の軽減を図る。
 

 今後は横浜市が発行する浸水レジリエンス債の購入をモデルケースとして、他の地方自治体の水害対策事業を資金使徒とした債券への投資を拡大させる考えだ。水害対策事業を資金使途に含むグリーンボンド等の購入も進める。

*アイキャッチ UnsplashDaesun Kimが撮影した写真

【情報ソース】
地方自治体が発行する水害対策事業を資金使途とした債券への投資の開始 ~水害による家計・企業の損害発生の予防や被害軽減に貢献~(*PDFファイルが開きます、322KB)、2025年10月9日、東京海上日動火災保険株式会社

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