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【PPP】PFI推進室、新「PPP/PFI推進アクションプラン」を決定/目標事業規模は21兆円/新たに文教施設と公営住宅がコンセッション重点分野へ

2016.05.23 PPP


 平成28年5月18日、PFI推進室(内閣府民間資金等活用事業推進室)が新たに「PPP/PFI推進アクションプラン」を決定した。これまで平成25年6月6日決定の「旧アクションプラン」に基づきPPP/PFI事業が推進されてきたが、今後さらに活用拡大が進むようこれまでの方針が大きく見直されている。

 主な改定のポイントは以下の3つだろう。

  • 新たな事業規模の目標設定:21兆円(現行目標は10~12兆円)
  • コンセッション事業等の重点分野の追加:文教施設公営住宅
  • 推進のための実効ある施策:優先的検討規定の策定・運用、地域プラットフォームの形成等

○新たな事業規模目標の設定
 これまでの現行目標は平成25~34年度の10年間で10~12兆円のPPP/PFI事業の事業規模を達成することだった。これを平成25~34年度の10年間で21兆円の事業規模の達成を目指す方針とした。その内訳はコンセッション事業が7兆円、収益型事業(*1)が5兆円、公的不動産利活用事業(*2)が4兆円、その他の事業が5兆円となっている。これまでの計画の倍ほどの事業規模を目標にすることで新たな「民間の経済活動の創出」を狙う。

*1.収益型事業:収益施設の併設・活用など事業収入等で費用を回収するPPP/PFI事業をいう。
*2.公的不動産利活用事業:公的不動産の有効活用を図るPPP事業をいう。

○コンセッション事業等の重点分野の追加
 これまでは空港、水道、下水道、道路の4分野が重点分野とされていた。今回のアクションプランでは従来の4分野に文教施設(スポーツ施設、社会教育施設及び文化施設)と公営住宅が組入れられた。目標件数は平成28年度から平成30年度までの集中期間中にそれぞれ、文教施設は3件のコンセッション事業、公営住宅は6件のコンセッション事業・収益型事業・公的不動産利活用事業の具体化を掲げた。なお、従来の4分野の目標件数(空港:6件、水道:6件、下水道:6件、道路:1件、合計:19件)は変更されておらず、引き続き当初の目標件数の達成に向けて積極的な取組みが進められる。

○推進のための実効ある施策
 国や全ての人口20万人以上の地方公共団体等(*3)で優先的検討規定が策定される。優先的検討規定は公共施設等の整備等の⽅針を検討するに当たって、多様なPPP/PFI⼿法の導⼊ が適切かどうかを⾃ら公共施設等の整備等を⾏う従来型⼿法に優先して検討 する仕組みのことである。優先的検討規定の運用により着実に具体の案件形成につなげることが狙いだ。このほか、産官学金で構成された地域プラットフォームを形成し案件形成力を高めるなど多様な施策でPPP/PFI事業の推進を強力に推し進める方針である。

*3.地方公共団体等:人口20万人以上の公共団体のほか、各省各庁、公共法⼈(独法、特殊法⼈、公社等)が該当する。PFI法第2条第3項第3号に規定する公共法人。

 ここまで主な改定ポイントに絞り内容を見てきた。ほかにも事業の広域化やインフラファンドの育成、LABV(Local Asset Backed Vehicle)の組成・活用などが方針として挙げられ、新しい「PPP/PFI推進アクションプラン」は骨太なものとなっている。政府は「PPP/PFI推進アクションプラン」を新たに策定し、PPP/PFI事業をさらに推進させることで、新たなビジネス機会を拡大させるとともに、公的負担の抑制を図り、国及び地方の基礎的財収支の2020年度までの黒字化を目指す経済・財政一体改革を推進させたい考えだ。

【情報ソース】
PPP/PFI推進アクションプラン(平成28年5月18日民間資金等活用事業推進会議決定)、平成28年5月20日、内閣府民間資金等活用事業推進室(PFI推進室)

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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