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【レポート】(全3回)海外では一般的な「アベイラビリティ・ペイメント方式」 Part.2

2016.05.20 ナレッジ ハブ


アベイラビリティ・ペイメントを2段階で定義

 一般的にインフラ事業の財源は、施設の利用料金か公共セクターの補助金(税金)である。コンセッション方式を含むPPPプロジェクトでは、民間事業者にとって多くの報酬収受の権利が考えられる――利用料金の徴収、副次的な歳入(駐車料金、広告、リース・レンタル料等)、施設利用に関係付けられた補助金(シャドートール等)、補助金の前払い、建設段階毎の支払い、柔軟なリース期間(目標となる歳入の現在価格に到達する時点まで)、アベイラビリティ・ペイメント等。周到に計画されたPPP方式では、民間コンセッション会社は、インフラ施設が公共セクターの目的に最も合致した際に、最大の収益を上げることができる。

 上述したように、アベイラビリティ・ペイメントは、施設の利用需要には依存せず、運営・管理における提供サービスのパフォーマンスに応じて支払われるものである。I-595高速道路でフロリダ州交通局の財務アドバイザーを担当したJeffrey A. Parker & Associatesは、アベイラビリティ・ペイメントを、「ピュア・アベイラビリティ(純然の供用性)」と「コンストラクティブ・アベイラビリティ(建設的な供用性)」の2段階で定義している。

 ピュア・アベイラビリティは資産、あるいはその一部がオープンで、機能的で、利用に支障がなく、誰もが完全に利用できる状態にあることである。コンストラクティブ・アベイラビリティはもう一段レベルが高く、ピュア・アベイラビリティの要求を満たすことに加えて、資産、あるいはその一部が契約に規定されたパフォーマンス、安全性、品質の基準――資産所有者にとっては、自ら提供するよりも高い品質のサービス提供を保証するより強固な基準でありマネジメントツールである――を満たすものである。

 例えばトンネルの場合、トンネルは掘削されトンネル内の車線は通行できる状態にしておかなければならない(ピュア・アベイラビリティ)。更に、清潔で、よく換気され、適度に照明が施されていなければならない(コンストラクティブ・アベイラビリティ)。

 アベイラビリティ・ペイメントに基づく調達価格を決定するために、民間コンセッション会社は与えられた事業期間中に100%の供用性を提供するという条件でアベイラビリティ・ペイメントの最大額を入札する。しかし、コンセッション会社が“純然たる”、あるいは“建設的”な供用性を提供できなかった場合、支払いは事故等の通行止め時間、発生時刻、重大性を考慮して予め設定された算式に基づいて減額される。これが実質的に「パフォーマンスに関連付けられた支払い」である。

 深刻な、あるいは継続的なパフォーマンスの低下は、民間コンセッション会社に不利となる契約の不履行や解除をもたらす。融資者や出資者は、将来の支払い(アベイラビリティ・ペイメント)に基づくリターンへの期待からプロジェクトに資金を提供する(テイク・オア・ペイ契約における資金調達と同様)。民間コンセッション会社のインセンティブは、施設に対する公共セクターのパフォーマンスの目標に連動されるものであり、民間コンセッション会社のパフォーマンスの低下は支払いの減額を招き、期待報酬が得られないリスクに晒されることになる。

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
東京モデリングアソシエイツ
ISS-アイ・エス・エス

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