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【実証】留萌市と北海道電力、バイオマス灰活用した藻礁の海草培養試験 地域の強みを活かしブルーカーボン事業

2022.11.23 トピック


 2022年11月9日、北海道電力株式会社(以下、「北海道電力」)は同社と留萌市が「留萌海域におけるブルーカーボン事業に向けた海草(藻)培養技術開発」に関する共同研究契約を締結したとを発表した。

 北海道電力は火力発電所の石炭灰利用技術を応用した低炭素藻礁の材料(基質)の研究を行っており、昆布の成長促進になる成分を含んだ「バイオマス燃焼灰」を用いた基質を開発している。共同研究では低炭素藻礁を使用して留萌港で培養試験を行い、海草(藻)のCO2吸収や貯留量に与える影響について実証する。

 具体的には、留萌海域に生息する昆布など海草(藻)類の種苗を生産し、低炭素藻礁の基質への種苗付着試験(屋内)や種苗が定着した基質を用いた実海域培養試験を行う。基質の製造方法や培養方法の最適化などについて検証し、事業性評価まで行う。期間は2022年10月から2024年3月まで。

 藻場や浅場等の海洋生態系に取り込まれた炭素はブルーカーボンと呼ばれ、海洋生態系はCO2の新たな吸収源として期待されている。ブルーカーボンを隔離・貯留する海洋生態系としては、海草藻場、海藻藻場、湿地・干潟、マングローブ林があり、北海道はわが国の海藻生産量の7割を占めている。留萌市は強みのある環境を活かしたブルーカーボン事業の実現に向けて研究や実証を進めている。海草(藻)を繁茂させることで、カーボン・オフセットを通じた財源の確保と漁業への波及効果(ウニ類の身入り向上やニシンの産卵による増殖など)を目指す考えである。

*アイキャッチ 屋内培養試験の様子 出典:北海道電力株式会社

【情報ソース】
留萌海域におけるブルーカーボン事業に向けた共同研究の実施について、2022年11月9日、北海道電力株式会社(*留萌市との共同リリース)

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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