【FS】出光興産、豪州・NSW州の石炭鉱山採掘跡地で揚水発電プロジェクトの事業化調査

2022.09.18 事業参画・売買レポート


 2022年9月14日、出光興産株式会社(以下、「出光興産」)は豪州ニューサウスウェールズ州のマッセルブルック石炭鉱山跡地を利用した揚水発電プロジェクトの事業化に向けた詳細検証を9月から開始することを発表した。

 マッセルブルック石炭鉱山は1907年に開山した鉱山で、出光興産は1989年に権益を取得している。同鉱山は2022年で終掘の予定で、今後は採掘跡地を再生可能エネルギー拠点として活用するための検討が進んでいる。出光興産は豪州の大手電力会社であるAGLエナジー社と共同で、採掘跡地と隣接する丘陵地(ベルズマウンテン)の地形に着目した揚水型水力発電事業の事業化に向けた調査や基礎検証を2019年8月から行っている。

 当該事業はマッセルブルック石炭鉱山の採掘跡地を下部貯水池に転用し、安価な太陽光や風力等の再生可能エネルギー由来の電力を使用して揚水し、電力需要が大きくなる早朝と夕方に発電するという計画。発電規模は250MWが見込まれている。

 当該事業の開発が技術的に可能であることがこれまでの基礎検証で確認できたことから、2022年9月からは事業化へ向けた詳細な事業化検証に移行する。詳細検証は出光興産とAGLエナジー社との共同設立会社Muswellbrook Pumped Hydro Pty Ltd(マッセルブルック ポンプド ハイドロ社)を通じて行い、地質調査やグリッド接続、建設コストの算定などを行う予定。今回の詳細検証にはニューサウスウェールズ州政府の補助金の受領も決定している。補助金額は最大9.45百万豪ドル、日本円に換算して約9.2億円。

*アイキャッチ 出典:出光興産株式会社

【情報ソース】
豪州 マッセルブルック石炭鉱山採掘跡地で揚水型水力発電事業の事業化検証を開始、2022年9月14日、出光興産株式会社

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