【投資】日本生命、クライメート・トランジション戦略ファンドに200億円投資

2022.07.03 インフラファンド動向


 2022年6月24日、日本生命保険相互会社(以下、「日本生命」)はニッセイアセットマネジメント株式会社(以下、「ニッセイアセットマネジメント」)が運用するニッセイ国内株式クライメート・トランジション戦略ファンドに200億円投資したことを発表した。

 当該ファンドは温室効果ガス(以下、「GHG」)排出量ネットゼロに向けた移行(トランジション)に貢献する事業を行い、持続的な企業価値向上が見込める国内の上場企業に投資する。GHG排出量ネットゼロの達成と経済的リターン獲得の両立を目指す方針。

 日本生命は資産運用ポートフォリオにおけるGHG排出量削減の具体的な取組として、GHG排出量の計測手法を開発する国際的なイニシアティブ「Partnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)」へ加盟したほか、脱炭素ファイナンス枠として5,000億円を設定している。今回のクライメート・トランジション戦略ファンドへの投資は脱炭素ファイナンス枠を活用した投資に位置づけられている。なお、2022年3月時点では、脱炭素ファイナンス枠として脱炭素ファンドオブファンズへ約200億円、脱炭素ベンチャー投資ファンドへ約100億円、再エネファンドオブファンズへ約300億円の投資決定をしている。

 パリ協定や2050年カーボンニュートラルの実現には、再生可能エネルギー事業等へのファイナンスを促進することに加えて、GHG排出量削減が困難な産業分野(*1)における、脱炭素化に向かっていくための移行(トランジション)の取組みについて支援を行うことが重要となってきている。後者の取組みに対してのファイナンスはクライメート・トランジション・ファイナンスとも呼ばれており、脱炭素社会に向けた企業のトランジション戦略・活動への資金供給が目指されたものとなっている。

(*1)GHG多排出分野:鉄鋼、化学、電力、ガス、石油、セメント、紙・パルプ、海運、航空

*アイキャッチ Photo by Joao Vitor Marcilio on Unsplash 

【情報ソース】
ニッセイ国内株式クライメート・トランジション戦略ファンドへの投資について(*PDFファイルが開きます、274KB)、2022年6月24日、日本生命保険相互会社

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