【参画】JR西日本イノベーションズ、和歌山県有田川町のバイオマス発電事業に出資参画

2022.01.30 事業参画・売買レポート


 2022年1月19日、株式会社JR西日本イノベーションズ(以下、「JR西日本イノベーションズ」)は有田川バイオマス株式会社に対して、匿名組合出資を行い、和歌山県有田川町のバイオマス発電事業に参画することを発表した。

(完成イメージ 出典:株式会社JR西日本イノベーションズ)

 当該事業は主に和歌山県産の未利用間伐材等を燃料とする木質ガス発電方式のバイオマス発電事業だ。発電設備にはオーストリアのウルバス(URBAS)社製の熱電併給設備を採用しており、発電の際に生じる熱を活用して木質チップ製造工場や隣接する温浴施設(有田川町かなや明恵峡(みょうえきょう)温泉)へ熱供給も行う。発電効率は31%だが、熱利用も含めると総合エネルギー効率は最大で82%とすることが可能だ。

 設備の定格出力は900kW(450kW×2)、年間の発電量は約650万kWh(一般家庭約2,000世帯相当)を見込んでいる。発電した電力は固定価格買取制度に基づいて関西電力送配電株式会社に全量売電する。2021年8月より建設工事に着工しており、2022年8月に運転開始の予定だ。

 当該事業では地域への経済循環や持続可能なまちづくりが計画されており、熱電併給のほか、発電の副産物である炭(チャー)の農業利用や余剰生産するチップを近隣の工場等で利用することなども検討されている。JR西日本イノベーションズは事業への参画に伴い、鉄道沿線樹木のバイオマス発電への活用推進を行い、エネルギーの地産地消モデルの実現を目指す。

 有田川バイオマスはシン・エナジー株式会社と地元企業が出資し設立した事業会社だ。当初の出資比率は地元60%、地域外40%とされており、地域主導で意思決定を行う事業体として構想されている。その後、2021年12月には中部電力株式会社が出資参画を発表している。

*アイキャッチ 出典:株式会社JR西日本イノベーションズ

【情報ソース】
有田川バイオマス株式会社への出資について、2022年1月19日、株式会社JR西日本イノベーションズ

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