【PPP】豊田通商、インドネシアのパティンバン新国際港の自動車ターミナル運営に参画

2022.01.05 コンセッション


 2021年12月23日、豊田通商株式会社(以下、「豊田通商」)はインドネシア共和国(以下、「インドネシア」)の西ジャワ州スバン県にあるパティンバン新国際港において、自動車ターミナル運営事業に参画したことを発表した。

 2017年11月に1,189億600万円を上限とする円借款貸付契約が締結されたことをうけ、2018年よりパティンバン新国際港の建設工事が始まり、2020年12月には一部施設が完成した。その後、新国際港の運営は暫定的にインドネシア国営港湾運営企業(プラブハン・インドネシア(Pelindo)Ⅲ)が行ってきたが、地元企業のCTコープ社を含む4社が出資する「PT. Pelabuhan Patimban International」(以下、「PPI社」)がインドネシア運輸省とコンセッション契約を締結し引き継いだ。豊田通商が新設した運営会社「PT. Patimban International Car Terminal」(以下、「PICT社」)は自動車ターミナルの運営についてPPI社とサブコンセッション契約を締結し、2021年12月17日より自動車ターミナルの運営を開始している。

(事業スキーム 出典:豊田通商株式会社)

 パティンバン新国際港はジャカルタ首都圏東部の郊外に位置する自動車ターミナルとコンテナターミナルの2つから構成された港湾である。インドネシア政府が主導する形で、第1期から第3期まで段階的に建設が進められる計画となっている。現在は第1期フェーズ1まで完工した状態で、2024年までに第3期まで港を拡張する。現時点の取扱能力は自動車ターミナルで21万8,000台(コンテナターミナルで25万TEU)だが、第3期までの工事完了後は60万台(コンテナターミナルで750万TEU)まで取扱能力は増える見通しだ。

工期自動車ターミナル
(完成車取扱能力)
コンテナターミナル
(コンテナ取扱能力)
第1期フェーズ121万8千台25万TEU
第1期フェーズ260万台375万TEU
第2期・第3期60万台750万TEU
 

 インドネシアの首都ジャカルタ北部にはインドネシアのコンテナ貨物の約5割を取り扱う重要玄関港タンジュンプリオク港がある。しかし、近年の経済成長に伴うコンテナ取扱量の急増を受け、当該港に貨物が集中し、首都圏での物流停滞や慢性的な交通渋滞が課題となっている。パティンバン新国際港の開港や円滑な運営を通じて貨物が分散されることで、ジャカルタ首都圏内の課題改善や物流コストの低減が期待されている。

*アイキャッチ パティンバン新国際港自動車ターミナル 出典:豊田通商株式会社

【情報ソース】
インドネシア・パティンバン新国際の自動車ターミナル運営事業に参画、2021年12月23日、豊田通商株式会社

【関連記事】
【稼働】三井物産&日本郵船、インドネシアでタンジュンプリオク港でターミナル運営がスタート
【開発】豊田通商・日本郵船・ボロレ社、エジプトで初の自動車専用ターミナル運営に参画
【参画】INPEX、インドネシア・スマトラ島のムアララボ地熱発電事業に参画

, , , , , , , ,


デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
ISS-アイ・エス・エス

月別アーカイブ