【参画】大阪ガス・JOIN、インド南部で都市ガス事業に参画

2021.12.29 事業参画・売買レポート


 2021年12月20日、大阪ガス株式会社(以下、「大阪ガス」)と株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(以下、「JOIN」)はシンガポールのAGP International Holdings Pte.Ltd.(以下、「AGP IH」)とともに設立するAG&P CGD HoldCo SPV3(Singapore)Pte. Ltd.(以下、「SPC」)を通じて、AG&P LNG CGD HoldCo Pte.Ltd.(以下、「AG&P都市ガス会社」)が行うインドにおける都市ガス事業に参画することを発表した。インド都市ガス事業への参画は日本企業として初。

(スキーム図と事業エリア図 出典:大阪ガス株式会社)

 当該事業は東南アジアやインドを中心にLNG事業の拡大を進めているAGP IHを主体としたAG&Pグループが開発中の都市ガス事業で、独占事業権を取得したインド南部を中心とするエリア(12のGeographic Area(GA)、日本の面積の4分の3に相当)でガス供給網を整備するものだ。ガスの調達・貯蔵・輸送・供給を一貫して行う。

 インフラ整備期間を短縮するために、主なガス供給方式としてLNGローリーを活用した形をとって、天然ガス自動車(Compressed Natural Gas、CNG車)向けの交通用を中心に供給する。将来的には交通用以外にも、家庭用、商業用、工業用での需要拡大を進める計画だ。

(LNGローリーを活用したガス供給方式 出典:大阪ガス株式会社)

 大阪ガスは当該事業への参画に際して、子会社であるOSAKA GAS SINGAPORE PTE. LTD.を通じてSPCに最大65百万ドル出資し、人員派遣を通じた技術・営業支援も行う。JOINは最大約63億円の出資を行うことを決定し、国土交通大臣の認可を取得している。当該事業には米国インフラ投資ファンドでインドにおける投資実績もあるI Squared Capital Advisor (US) LLCグループも参画する。

 インド政府は経済成長に伴うエネルギー需要拡大と低炭素化・大気汚染対策として、都市ガスインフラ整備による天然ガス自動車の普及や天然ガスの利用拡大を推進している。都市ガス事業者は分割されたエリアの入札制度で決定され、一定期間の排他的なガス販売件やインフラ占有権(独占事業権)を得ることができる仕組みとなっている。大阪ガスはCNG車向けのガス供給を足がかりに、家庭用・産業用・商業用ガスの販売・需要開発も進め、将来的には大阪ガスの国内ガス販売量(*)の半分程度に相当する都市ガス事業の実現を目指す考えだ。

(*)プレス記事より引用
2020年度の個別ガス販売量(45MJ/m3)は、7,121百万m3

*アイキャッチ Photo by arihant daga on Unsplash 

【情報ソース】
日本企業として初めてのインド都市ガス事業への参画について、2021年12月20日、大阪ガス株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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