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【テクノロジー】住友林業・IHI、泥炭地管理技術のスマート化に向け業務提携/「質の高い炭素クレジット」創出も

2021.06.20 トピック


 2021年06月18日、住友林業株式会社(以下、「住友林業」)と株式会社IHI(以下、「IHI」)は「森林管理コンサルティング事業」と「自然資本の価値を最大化する持続可能なビジネスの開発」に向けた業務提携契約を締結したことを発表した。

(住友林業がインドネシアで管理する熱帯泥炭地の保護区 出典:住友林業株式会社)

 住友林業は2010年からインドネシアの熱帯泥炭地において大規模な植林事業を行っている。熱帯泥炭地とは植物の遺骸が水中で分解されずに堆積してできた土壌である。そのため、地下水位が下がり乾燥すると非常に燃えやすく、泥炭火災の発生や火災に付随して生ずる煙害や大気中への炭素放出などが問題となっている。

 熱帯泥炭地に対して、住友林業は貯水林の設置や水位管理ゾーンの設定、水位管理インフラの開発をするなど貯水型の水位管理を行っている。これにより乾季でも地下水位を安定的に管理することができ、泥炭の乾燥による火災や泥炭の分解という課題を克服する独自の泥炭地管理モデルを確立させている。

 住友林業はこれまで熱帯泥炭地において膨大な地形測量やボーリング調査を行っており、泥炭土壌に関する地上データの蓄積もある。今回の協業では、この泥炭土壌に関する地上データをIHIと共有し、熱帯泥炭地の保全と適正な管理が低コストで容易になるよう技術開発を進める。具体的には、まずIHIが泥炭地の地下水位情報を地上で計測できる泥炭地情報観測機器を開発する。そして、その観測機器による計測データに気象情報及び人工衛星データ、住友林業が保有する泥炭土壌についての地上データを融合し、年間を通して地下水位を保つための地下水位予測システムを構築する計画だ。

(地下水位予測システムイメージ図 出典:株式会社IHI)

 今後は住友林業が確立させた泥炭管理技術に、IHIが開発する地下水位予測システムを組込み、インドネシアをはじめ熱帯泥炭地を有する国々(*)に広める方針だ。当該技術を実際に導入・運用するためのコンサルティング事業として2022年のビジネス化を目指す。

 住友林業とIHIは森林管理コンサルティング事業のほかに、広大な森林が吸収する二酸化炭素量を高精度で評価・モニタリングする手法の開発も行う。将来的には気候変動対策としての炭素吸収の価値に加えて、生物多様性や水循環の保全、地域社会への貢献といった自然資本としての価値を可視化し、「質の高い炭素クレジット」の創出や販売につなげたい考えだ。

(*)プレス記事より引用
 熱帯泥炭地の土壌は大部分が水で構成され、残りは樹木などの植物遺骸が腐らずに堆積した有機物で構成されます。インドネシアやコンゴ盆地、アマゾンに分布しており、面積は全世界で5千万ha(日本の国土面積の約1.3倍)以上、貯蔵する炭素量は約1,190億トン(2017年の世界の炭素排出量の10倍以上)と言われています。

*アイキャッチ 出典:株式会社IHI

【情報ソース】
住友林業とIHI、「熱帯泥炭地コンサルティング」と「質の高い炭素クレジット」の事業化に向けて提携、2021年06月18日、住友林業株式会社

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