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【インフラマネジメント】戸田建設、自己治癒コンクリートを実構造物に初適用/微生物の力でひび割れが自動で閉塞

2020.12.20 トピック


 2020年12月15日、戸田建設株式会社(以下、「戸田建設」)は同社が保有する南砂PJ研修センターの擁壁部に自己治癒コンクリートを初適用したことを発表した。

(自己治癒コンクリート適用状況(擁壁部) 出典:戸田建設株式会社)

 戸田建設は日本大学工学部建築学科のサンジェイ・パリーク教授と共同で、微生物を用いた自己治癒コンクリートの実用化に関する研究を行っている。今回の実構造物への適用は、経過観察を行いながら当該技術の有効性を検証することを目的としたものだ。

(コンクリート試験体によるひび割れ閉塞状況(20週経過後)出典:戸田建設株式会社)

 当該技術はコンクリートに発生したひび割れを微生物の代謝活動を利用して補修する技術だ。微生物とその養分となる乳酸カルシウムをあらかじめ添加してコンクリートを打設すると、そのコンクリートにひび割れが発生すると酸素と水が供給されて微生物が活動を開始する仕組み。微生物が活動を始めると、乳酸カルシウムを取り込み、炭酸カルシウムを生成することでひび割れが閉塞する。微生物はひび割れが閉塞すると活動を休止し一旦休眠状態になるが、ひび割れが発生すると再び活動を始めることが可能だ。

 この微生物の働きによってひび割れが閉塞することで、コンクリートの劣化因子である水や塩化物イオン等のコンクリート内部への侵入を防ぐことができ、コンクリートの耐久性や美観の向上が期待できる。それは構造物供用中のメンテナンスコストを低減することにもつながる。

(通水試験の結果の一例(ひび割れを有するモルタル円柱供試体を用いた場合) 出典:戸田建設株式会社)

 今後は南砂PJ研究センターの擁壁部の経過観察を行い、自己治癒コンクリート技術を戸田建設独自のサスティナブル技術の一つとして展開を図る方針。

*アイキャッチ 出典:戸田建設株式会社

【情報ソース】
微生物の力でコンクリートのひび割れを閉塞、2020年12月15日、戸田建設株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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