【売買】JOIN、サンパウロ地下鉄6号事業の事業権をスペインのACCIONA社に譲渡

2020.10.14 事業参画・売買レポート


 2020年10月7日、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(以下、「JOIN」)はブラジル連邦共和国におけるサンパウロ地下鉄6号線事業の事業権を譲渡する。6日に国土交通大臣からの認可を得て発表された。

 当該事業は2020年の開業を目指して2016年3月より工事が進められていたが、ブラジル国内の事情によって2016年9月から工事が中断されていた。JOINはスペインのACCIONA社に譲渡し、譲渡後はACCIONA社が主導するConcessionária Linha Universidade S.Aが建設工事を進める。工事期間は5年をみており、完成後は19年間に亘ってO&Mの監督を行う。

 サンパウロ地下鉄6号線(São Paulo Metro line 6)はサンパウロ市中心部から北西部に渡る全長約15kmで計画された地下鉄だ。15の地下鉄駅が予定されている。サンパウロの主要な大学が位置するエリアであることから、完成すると1日あたり60万人の利用客が見込まれており、ACCIONA社は当該事業の価値を23億ユーロ(約2830億円)と算出した。

 サンパウロ地下鉄6号線の開発はPPP方式で進められており、三井物産株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、JOINの3社は特別目的会社ガラナ・アーバン・モビリティ株式会社(以下、「GUMI」(*1))を設立の上で、ブラジル大手複合企業Odebrecht S.A.の子会社Odebrecht TransPort S.A.(オデブレヒトトランスポート)と設立した合弁会社を通じて事業参画していた。(*2)

 サンパウロ地下鉄6号線事業以外に、GUMIが参画している3件のブラジル都市鉄道整備・運営事業(リオデジャネイロ州近郊鉄道、リオデジャネイロLRT,ゴイアニアLRT)については、これまで通りに取り組みが継続される。

(*1)GUMIへの出資比率は三井物産が50.1%、西日本旅客鉄道株式会社が33.9%、JOINが16%。
(*2)サンパウロ地下鉄6号線の事業運営体はコンソーシアムMove São Paulo (Concessionária Move São Paulo)。オデブレヒト社、ケイロース・ガルボン社、UTC社が出資している。

*アイキャッチ フォトルーカス・サントスUnsplash

【情報ソース】
ブラジル都市鉄道事業における事業権譲渡について(*PDFファイルが開きます、280KB)、2020年10月7日、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構
ブラジル都市鉄道事業における事業権譲渡を認可、2020年10月7日、国土交通省
ACCIONA signs contract to take over the concession for the construction and O&M São Paulo Metro Line 6、5 OF OCTOBER, 2020、acciona

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