【融資】JBICなど、JERAが進めるバングラデシュの天然ガス焚複合ガス火力発電事業に協調融資/融資総額は642百万米ドル

2020.08.15 プロジェクトファイナンス


 2020年07月31日、株式会社国際協力銀行(以下、「JBIC」)は株式会社JERA(以下、「JERA」)等が出資するReliance Bangladesh LNG & Power Limited(以下、「RBPL」)との間で、バングラデシュ人民共和国(以下、「バングラデシュ」)のメグナハット天然ガス焚複合火力発電プロジェクトを対象としたプロジェクトファイナンスによる貸付契約の締結を発表した。

 当該融資はJBICの「成長投資ファシリティ」(*)を活用して行われ、アジア開発銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、Societe Generale S.A.との協調融資により実施される。協調融資総額は642百万米ドル、日本円に換算すると約670億円だ。(1ドル=105円として算出)そのうちJBICは265百万米ドルを限度として融資を行う。なお、民間金融機関の融資の一部には株式会社日本貿易保険(NEXI)による保険が付保される。

(*)
「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」(2019年12月5日閣議決定)において発表されたもので、2018年7月に創設した「質高インフラ環境成長ファシリティ(QI-ESG)」を発展的に改編する形で、2020年01月30日に創設された。日本企業の海外M&Aやグローバル・バリューチェーンの再編等の海外展開支援及び質の高いインフラ整備支援を幅広く支援している。

(発電所完成イメージ(サムスンC&T提供) 出典:株式会社JERA)

 融資の対象となっている事業はバングラデシュの首都ダッカから南東約40kmのメグナハット地域に、出力745MW(送電端:718MW)の天然ガスコンバインドサイクル発電設備を建設・所有・運営するものだ。JERAは2019年9月にリライアンス・パワー社から事業権益の49%を取得し事業参画している。

(プロジェクトスキーム 出典:株式会社JERA)

 2020年7月には事業会社とサムスンC&Tとの間でEPC契約が合意に至っており、今後本格工事に移行される。ティタスガス搬送・販売会社との間でガス供給契約を締結しており、22年間に亘って同社から燃料を購入し発電する。発電した電力は長期売電契約に基づき、同じく22年間に亘ってバングラデシュ電力開発庁へ売電(政府保証付)する。商業運転開始は2022年の予定だ。

*アイキャッチ 出典:株式会社JERA(サムスンC&T提供)

【情報ソース】
バングラデシュ人民共和国メグナハット天然ガス焚複合火力発電事業に対するプロジェクトファイナンス―成長投資ファシリティにより、同国における電源開発プロジェクトへの日本企業の参画を支援、2020年07月31日、株式会社国際協力銀行
バングラデシュにおける新規ガス火力発電事業に関する融資契約の締結について、2020年07月31日、株式会社JERA

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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