2024.03.28
【インフラマネジメント】商船三井、台湾の大彰化洋上風力発電所でSOV事業/アジア初の保守専用船を新造・投入へ
2020.04.19 トピック
2020年04月17日、株式会社商船三井(以下、「商船三井」)は同社と大統海運(タ・トン・マリン、Ta Tong Marine、以下、「大統海運」)との合弁会社「大三商航運股份有限公司」(以下、「第三商」)を通じて、デンマークのØrsted A/S(以下、「オルステッド」)の100%子会社であるオルステッド台湾とSOV(Service Operation Vessel)(*)の定期貸船契約を締結したことを発表した。
当該定期貸船契約と同時に、大三商はノルウェー造船所のVARD Group A/S(以下、「ヴァルド」)の100%子会社ヴァルド・シンガポールとの間で、新造SOVの建造に関する造船契約締結についても発表した。
(*)株式会社商船三井のプレスリリースより引用
【Service Operation Vessel(SOV)とは】 洋上風力発電所のメンテナンス技術者を複数の洋上風車に派遣する為に多数の宿泊設備を持ち、一定期間洋上での活動が可能なオフショア支援船。本船と洋上風車の距離を常時安全に保つため、ダイナミックポジショニングシステム(DPS:自動船位保持機能装置)を搭載し、また本船から洋上風車プラットフォーム上に技術者を安全に渡すため、波等による船体動揺を吸収するモーション・コンペイセイション(Motion Compensation)機能をもつ特殊なギャングウェイ(Gangway) を搭載する。
(外観イメージ 出典:株式会社商船三井)
●SOV主要目
・船籍:台湾
・全長:84.4m
・全幅:19.5m
・計画喫水:5.6m
・最大乗船人員:約90名
・特徴:DPS、Motion Compensated Gangway System装備
新造SOVが投入されるのは台湾の彰化沖35~60kmの海域で計画されている大彰化洋上風力発電所だ。オルステッドが開発を進めており、2021年から2022年にかけて建設工事が計画されている。設備容量は900MW。
新造SOVはヴァルド傘下のベトナム造船所で、2022年上半期の竣工を予定している。その後、大彰化洋上風力発電所向けメンテナンス支援業務に15年間(最大20年)従事する。
(大彰化洋上風力発電所 出典:株式会社商船三井)
商船三井グループは洋上風力発電事業が進展する台湾やアジアにおけるSOVの需要拡大を見込んでおり、新たな事業領域「環境・エミッションフリー事業」を推進・育成する考え。
*アイキャッチ 出典:株式会社商船三井
【情報ソース】
・台湾大彰化洋上風力発電所向け「アジア初のSOV」事業に関する定期貸船契約、及び造船契約の締結の件、2020年04月17日、株式会社商船三井
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