2024.04.25
住友商事、石炭火力発電所拡張事業を受託。総事業費約5,000億円
2015.12.21 事業参画・売買レポート
✓ 住友商事と関西電力がインドネシア共和国での石炭火力発電所の拡張事業に参画。
✓ BOT方式のIPP事業。2020年から25年の事業期間。長期売電契約は完了。
✓ 総事業費は約5,0000億円。資金調達の大半をプロジェクトファイナンスで実施。
住友商事株式会社(以下「住友商事」)と関西電力株式会社(以下「関西電力」)はインドネシア企業のユナイテッド・トラクターズ(以下「UT社」)とともにインドネシア共和国での石炭火力発電所の拡張事業に参画する。(UT社はインドネシア最大のコングロマリット企業のアストラグループ傘下企業。)
事業名は『タンジュン・ジャティB石炭火力発電所5・6号基拡張プロジェクト』。ジャワ島中部のタンジュン・ジャティB石炭火力発電所(1~4号基:2,640MW)の隣接地に1,000MWの超々臨界圧石炭火力発電設備ユニット2基(2,000MW)を新たに建設し、発電所の運営、保守、売電(BOT方式)を実施するもの。
2020年の商業運転開始を目指しており、事業期間は25年。インドネシア国営電力会社PLNとの間で長期売電契約も締結され、事業期間中は安定した電力の売電・供給が見込まれる。
住友商事(50%)、関西電力(25%)、UT社(25%)の出資で事業会社が設立されている。(カッコ内は出資比率)。日本経済新聞によれば、総事業費約5,000億円の内2割をこの事業会社が負担し、約8割をプロジェクトファイナンスで調達するようだ。今後新たに、O&M事業を請負う会社新設も予定されている。
(*)O&M(Operation-Maintenance)会社:施設の運転・管理業務と維持管理業務を行う事業会社のこと。
事業の概要
事業位置 | インドネシア共和国 中部ジャワ州 ジェパラ県 |
発電形式/容量 | 超々臨界圧石炭火力 100万kW×2基 |
事業内容 | 100万kWのユニット2基の建設、運行、保守、売電 |
事業類型 | ・BOT方式(Build-Operate-Transfer) ・長期売電契約締結 |
事業期間 | 商業運転開始後から25年間 |
建設着工時期 | 平成28年(2016年)予定 |
商業運転開始時期 | 平成32年(2020年)予定 |
事業会社 | ブミ・ジャティ・パワー社 |
事業会社の出資比率 | 1.ケーピック・ネザーランド社:25% 2.住友商事株式会社:50% 3.ユニトラ・ペルサダ・エネルジア社:25% |
売電先 | インドネシア国営電力会社PLN |
【情報ソース/参考文献】
・タンジュン・ジャティB石炭火力発電所5・6号基拡張事業(2,000MW)の実施について 、2015年12月21日、住友商事株式会社
・インドネシア共和国における火力発電事業に係る売電契約の締結について、2015年12月21日、関西電力株式会社