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【政策】経済産業省と厚生労働省、水道情報活用システム導入の手引を公表/水道分野のデータ利活用を促し、業務変革に期待

2019.05.15 トピック


 2019年05月10日、経済産業省と厚生労働省は水道分野に係る様々な情報の利活用が促進されるよう「水道情報活用システム導入手引き」を策定し、公表した。

(水道情報活用システム 出典:経済産業省)

 両省は平成26年度から水道事業等におけるCPS/IoT活用に向けて水道情報活用システムの検討を進めてきた。現時点における水道情報活用システムはデータのプラットフォームやアプリケーション・デバイス等のインターフェースから成り、データプロファイル等の仕様が標準化されているものが想定されており、今回公表した手引はこの仕組みを念頭にしたものだ。水道情報活用システムを通じて水道事業者等が必要な情報を容易に参照できるようにすることで、水道インフラのスマート化を促し、施設の運用最適化や維持管理の効率化を図りたい考え。

 手引では水道情報活用システム導入により期待する業務変革を①クラウド型移行に伴う変革、②データ流通促進に伴う変革、③デジタル化に伴う変革と分類し、水道インフラ運営の各シーンで業務効率化や費用削減を見込んでいる。例えば、これまでは水道事業者等の個々の仕様に合わせて開発されていたアプリケーションやデバイス類を汎用化することでコスト低減を期待している。ほかにも、広域連携プロセスを踏まえた施設統廃合検討業務や水道施設台帳の整備をしやすくなることも考えられている。

 水道情報活用システム導入によるコスト削減効果の試算も行われている。浄水施設能力規模の異なる3つの水道事業を従来方式で運営する場合と複数の水道事業者等でプラットフォームを活用して運営する共同利用方式の場合(いずれの場合も15年間の運営期間)を比較しており、3事業の合計で約35.8億円のコスト削減できることが示されている。

(水道情報活用システムの導入により期待される効果の概要 出典:経済産業省)

 人口減少等による水需要の減少やそれに伴う水道料金収入の減少、水道施設の老朽化、職員数の減少等々、水道事業には課題が多くある。このような現状に対し、昨年12月12日には改正水道法が公布されて、水道事業等の広域連携の推進や水道施設の維持・修繕や水道施設台帳の作成・保管の義務付けがなされている。今後、水道事業等の持続可能な経営を確保するための取組が中長期的に進んでいくことが予想されるが、今回の手引の公表は水道事業等の基盤強化に向けた重要な取り組みの一つと位置付けられている。

*アイキャッチ 出典:経済産業省

【情報ソース】
水道事業者等がデータ利活用に係るシステムを導入するための手引を策定しました、2019年05月10日、経済産業省(同時発表:厚生労働省)

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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