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【売買】三井物産、アルゼンチン南部の風力発電事業に参画/3.6MWの風車27本建設し発電容量97.2MW、総事業費約250億円

2019.01.05 事業参画・売買レポート


 2018年12月14日、三井物産株式会社(以下、「三井物産」)は同社の100%投資子会社を通じて、アルゼンチン南部で風力発電事業を進めるVientos Los Hercules S.A.の株式34%を取得したことを発表した。取得日は12月13日。三井物産にとってアルゼンチンでの発電事業は初。

 仏のエネルギー大手トタル社傘下の再生可能エネルギー発電事業会社Total Eren S.A.(以下、「トタルエレン社」)より取得した。これにより事業会社への出資比率はトタルエレン社が66%、三井物産が34%となった。加えて、世界銀行グループの多数国間投資保証機関(以下、「MIGA」)との間で政治的リスク及び非商業的リスクから生じる損失に対する投資保険契約も締結した。今後は完工に向けて共同で開発を進める。

(事業所在地 出典:三井物産株式会社)

 三井物産が参画する風力発電事業はブエノスアイレス南西約1,500kmのサンタクルス州ピコ・トルンカド市近郊の約350haの敷地で開発を進める風力発電事業だ。総事業費は約220百万米ドル(約250億円)。3.6MWの風車27本を使用し、総発電容量97.2MWの風力発電所を開発する。発電した電力は20年間に亘り、アルゼンチン卸電力市場運営会社であるCAMMESAに米ドル建ててで売電する。計画通りに進めば2019年半ばに商業運転開始となる予定だ。

(現場写真 出典:三井物産株式会社)

 アルゼンチン共和国政府は2015年にエネルギーに関する新たな法律を制定し、国内の再生可能エネルギー供給率を2018年までに8%、2025年までに20%達成することを目標に掲げている。この目標達成に向けて、世界銀行の支援を受ける国際入札プロセス「RenovArプログラム」を設計・実施している。プログラムの対象となる事業は風力、太陽熱、太陽光、地熱、潮力、波力、海流、水力、バイオマス、最終処分場ガス、バイオガス、バイオ燃料、小規模水力発電となっているが、「RenovAr プログラム」入札ラウンド1、入札ラウンド1.5は2016年度に実施され、2017年度にはラウンド2も実施されている。3つのラウンドで落札された総発電容量は3,832MWに至っており、風力発電はそのうち約23%の電源構成割合となっている。

*アイキャッチ 出典:三井物産株式会社

【情報ソース】
アルゼンチン南部の風力発電事業に出資参画、2018年12月14日、三井物産株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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