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【投資】三菱商事とSurbana Jurong社(シンガポール)、アジア新興国で都市開発とインフラ整備を一体で推進/折半出資で新会社設立、今後5年間で5億ドル出資

2018.09.28 インフラファンド動向


 2018年09月14日、三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」)はシンガポールの政府系投資会社Temasek Holdingsの100%子会社であるSurbana Jurong社(以下、「SJ社」)とともに、アジア諸国での複合都市開発を推進する新会社を設立することに合意したことを発表した。

(調印式の様子 出典:Surbana Jurong)

 新会社は両社の折半出資で設立し、ファンドマネジメント会社(fund management company)となる予定だ。今後関係当局の承認を経て、2018年度中にシンガポールに設立される。

 新会社はアジア新興国の都市開発・インフラ整備を投資対象とするファンドを組成する予定で、両社の知見が深いミャンマー、ベトナムをはじめ、フィリピン、インドネシア、インド、スリランカなどの国が候補となっている。都市開発事業にはTOD型都市開発(*)も含んでおり、住宅・共同住宅、商業施設、オフィス、ホテル、病院等などの建物だけでなく、関連する航空や鉄道、道路等の交通インフラの整備も併せて整備する考えだ。複合的な都市開発として実施することで、人口増加や経済成長に伴って急速に高まっている都市やインフラのニーズに応える。

(*)TOD:Transit Oriented Developmentの略。公共交通志向型開発。過度な車依存を脱し、公共交通を基軸にした持続可能な都市開発を目指すもの。ピーター・カルソープが提唱。

 現時点では、今後5年間で総事業費25億ドルのプロジェクトに対して5億ドルを出資する計画を新会社は持っており、将来的には機関投資家等の第三者の資金や追加の自己資金を活用してさらに大型の都市開発事業に取り組む方針だ。商業ベースで実現可能な段階、或いは初期の建設段階にある都市・インフラプロジェクトのエクイティに投資を行うことから始めるようだ。

 SJ社はシンガポールに本社を置く都市開発やインフラ整備に強みを持つコンサルティングファームだ。70年近くに亘って、アジア、オーストラリア、英国、中東、アフリカ、米国等の40ヵ国以上の地域で活動している。オフィスは120以上あり、14,000人を超える従業員を抱える。年間の売上は約15億シンガポールドル。親会社のTemasek Holdingsはシンガポール財務省100%出資の国営投資会社。金融、通信、テクノロジー、交通、運輸、不動産、エネルギー、資源等の多くの分野へ投資している。2018年03月末時点での資産総額は約3,080億シンガポールドル。

*アイキャッチ Photo by chuttersnap on Unsplash

【情報ソース】
アジア諸国での複合都市開発を担う新会社設立について、2018年09月14日、三菱商事株式会社
Surbana Jurong and Mitsubishi Corporation enter joint venture to set up fund management company、2018年09月14日、SURBANA JURONG

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
ISS-アイ・エス・エス

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