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【開発】九州電力・DBJ・昭和シェル・四国電力、米国オハイオ州で天然ガス火力発電事業に参画/定格出力1,182MW、日系企業の持分合計は約54.2%

2018.08.27 事業参画・売買レポート


 2018年08月24日、九州電力株式会社(以下、「九州電力」)はアドバンスドパワー社(本社:スイス)が保有するサウスフィールドエナジーガス火力発電事業の持分18.1%を取得し、米国オハイオ州で天然ガス火力発電事業に参画することを発表した。

 当該発電事業には日本政策投資銀行(以下、「DBJ」)と昭和シェル石油株式会社(以下、「昭和シェル石油」)、四国電力株式会社(以下、「四国電力」)も参画する。DBJと昭和シェル石油は共に米国で設立した合弁企業(以下、「JV」)を介して約27.2%持分を取得しており、四国電力は約8.9%持分を取得した。今回出資参画した日系企業4社以外にアドバンスドパワー社やNH Amundi(*)などが事業会社の株主となっている。

(*)NH Amundi:韓国農協銀行グループ(Nong Hyup financial Group)の資産管理会社

(プロジェクトスキーム図 出典:昭和シェル株式会社)

 当該発電事業は、米国オハイオ州コロンビアナ郡で計画されているガス火力発電事業である。GE社製の高効率ガスタービン(7HA.02型)を採用したガスタービンコンバインドサイクル方式の発電所を建設し、発電を行う。発電所の名称は『サウスフィールドエナジーガス火力発電所』、事業会社サウス・フィールド・エナジー社が事業を進める。定格出力は118.2万kWで計画しており、燃料となる天然ガスは米国内のシェールガス田から調達する計画。発電した電力は米国最大の卸電力市場であるPJM(PJM Interconnection LLC)市場を通じて米国北東部に電力供給を実施する。事業資金の調達にはシンジゲート団によるプロジェクトファイナンス融資も予定されている。今後建設工事に着工する予定で、商業運転開始は2021年を予定している。

(発電所建設地 出典:九州電力株式会社)

 今回の事業参画により、九州電力は米国における3件目の発電事業となり持分出力は総計197.5万kWに達した。四国電力はカタールやオマーンでのガス火力発電事業、チリ共和国での太陽光発電事業に次いで5件目の海外IPP発電事業となった。米国では初の案件。

 昭和シェル石油は「中期事業戦略」(2017~2021)の中で、アジア太平洋・中東を中心とした事業地域でのIPP事業への参画を基本方針に掲げており、今回の事業参画もこれを受けた展開と言えそうだ。DBJは電力自由化で先行する米国で自由化市場でのファイナンスにかかる知見を得る方針で、今後わが国での電力市場への還元を目指す方針。

*アイキャッチ 出典:昭和シェル株式会社

【情報ソース】
米国サウスフィールドエナジーガス火力発電事業に参画します-当社持分出力21.4万kW、米国における3件目の発電事業-、2018年08月24日、九州電力株式会社
米国オハイオ州 天然ガス火力発電事業に参画、2018年08月24日、昭和シェル石油株式会社
米国オハイオ州における天然ガス火力発電事業への参画について(*PDFファイルが開きます、355KB)、2018年08月24日、四国電力株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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