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【運用】東京都とスパークス・グループ、官民連携インフラファンドを清算結了/設立から5年、エクイティIRRは約10%

2018.06.04 インフラファンド動向


 2018年05月29日、東京都とスパークス・グループ株式会社(以下、「スパークス・グループ」)は官民連携インフラファンド事業において、ファンド(以下、「当該ファンド」)が存続期間満了となり、清算結了したことを発表した。

 当該ファンドは『スパークス・官民連携グリーンエナジー投資事業有限責任組合』。都が呼び水とし15億円出資し(LP)、2012年10月15日にファンドが設立され、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が無限責任組合員(GP)として運営していた。その後、複数の金融法人・事業法人等もLPとして参加している。約5年の運用期間を経た清算時のファンド規模は88億円。ファンドの資金は元本の約1.6倍に、エクイティIRR(各種報酬等控除前)は約10%のパフォーマンスとなった。このうち、都の回収額は約23.56億円となり約8億5千万円の収益をあげた形だ。

 当該ファンドは5年間で全国12か所の太陽光発電所に投資しており、総事業費355億円の太陽光発電所の開発に寄与した。12太陽光発電所の年間発電量は約1億2,400万kWh、一般家庭の使用電力量に換算すると約4万1千世帯相当。スパークス・グループの再生可能エネルギー発電所への投資実績は当該ファンドの実績を含んで、総事業費1,594億円、発電所数25件となった。施設の開発段階から投資を行うグリーンフィールド・ファンドへの投資実績が多い。

〇投資対象となった発電施設概要(出力と総事業費は概算)

所在地出力(MW)総事業費(円)運転開始
佐賀県上峰町 2.072013 年 10 月
熊本県芦北町8.0302013 年 12 月
秋田県北秋田市2.792013 年 12 月
群馬県嬬恋村2.592014 年 01 月
千葉県市原市2.9112015 年 02 月
富山県富山市7.7282015 年 02 月
神奈川県中井町9.8392015 年 04 月
北海道釧路市21.7802015 年 05 月
福島県福島市2.792015 年 05 月
茨城県常陸大宮市21.2782016 年 07 月
熊本県芦北町2.272016 年 07 月
宮城県栗原市15.6482017 年 01 月

(投資実績の概要 出典:東京都会計管理局)

 スパークス・グループは国内の再生可能エネルギー比率の低さや世界的なESG投資への関心の高まりなどを背景に、今後も再生可能エネルギー分野への投資は欠かせないものと見ており、再エネ発電施設への投資を継続し、更なる普及拡大を目指す。また、公共施設やインフラ構造物の老朽化などから高まっているインフラの更新需要への民間資金導入に向け、当該ファンド運営でのノウハウを活かし、再エネ以外のインフラ投資に積極的に取組んでいく方針だ。

*アイキャッチ 出典:東京都会計管理局

【情報ソース】
官民連携インフラファンドの清算決了について(スパークス・官民連携グリーンエナジー投資事業有限責任組合)、2018年05月29日、東京都会計管理局
東京都の官民連携インフラファンド、清算決了(*PDFファイルが開きます、272KB)、2018年05月29日、スパークス・グループ株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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