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【PPP】国土交通省、鹿児島港をPPP国際クルーズ拠点に追加選定/鹿児島県とロイヤル・カリビアン・クルーズが応募

2018.03.10 PPP


 2018年02月27日、国土交通省は鹿児島港を「『官民連携による国際クルーズ拠点』を形成する港湾として追加選定したことを発表した。昨年1月の第1次選定に次いで行われた第2次選定での追加となった。選定された港湾は計7港となった。

マリンポートかごしま

 

 国土交通省は2017年01月に6港(横浜港、清水港、佐世保港、八代港、本部港、平良港)を「『官民連携による国際クルーズ拠点』を形成する港湾」として選定し、その後07月には港湾法に基づく「国際旅客船拠点形成港湾」に指定している。

 急増しているクルーズ船の受入施設が不足していることから、自ら旅客ターミナルビル等を整備する意欲を持つ船社と港湾管理者が連携して、国が指定した港湾において受入拠点を形成するのが目的だ。各港では現在、岸壁整備など必要なハード・ソフト両面で取組みをスタートさせている。

(「官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾」の状況 出典:国土交通省)

(官民の連携による拠点形成のイメージ 出典:国土交通省)

 2017年12月22日~2018年02月09日の間で第2回目の募集を行ったところ、鹿児島県とロイヤル・カリビアン・クルーズ(以下、「RCL」)から鹿児島港に係る計画書(目論見)の応募があり、学識経験者等から成る検討委員会の評価を経て、追加での選定となった。

 鹿児島県とRCLは「鹿児島と世界をつなぐグルーズ拠点『Kagoshima Port』」を掲げた。鹿児島県の優位性を活かして東アジアクルーズの拠点化を目指し、離島の自然等を活かした世界遺産クルーズや航空機や鉄道などとも連携するフライ(レール)&クルーズなどを実施する。RCLは鹿児島港への寄港回数を運用開始予定の平成34年には50回程と見ているが、平成44年には130回とする目標も立てた。

(鹿児島港クルーズ船寄港数(速報値) 国土交通省の資料より作成)

 鹿児島港には北ふ頭と呼ばれる本港区とマリンポートかごしまと呼ぶ中央港区がある。北ふ頭は3万トン級のクルーズ船が寄港できるが、現在6万トン級対応に向けて改良を進めている。計画書によれば、中央港区をクルーズ船が寄港する交流拠点と位置づけ、改良・整備を進めるようだ。

 現在は鹿児島県が旅客ターミナルや付属の屋根付き通路、駐車場を新たに整備し、岸壁については既設のものを改良する予定で16万トン級クルーズ船へ対応する計画を進めている。これに追加する形で、RCLが新たに22万トン急に対応する岸壁を整備し、近傍に旅客ターミナルと屋根付き通路を整備する。旅客ターミナルには税関・出入国管理・検疫を実施するCIQ機能も含まれる。

 RCLが整備した施設については、RCLが優先的に利用可能だ(RCLが利用しない期間は他社も利用できる)。優先的な利用期間は当初20年間、最大で40年間としている。日数では年間最大150日間の優先利用ができる。

(中央港区マリンポートかごしま 出典:国土交通省)

 現在、日本へ就航するクルーズ船が急増しているが、受入施設の不足により貨物ヤードでの旅客受入が発生するなど課題となっている。一方で、クルーズツアーは1年以上前からの販売も多いが、岸壁の優先予約の仕組みがなく、安定したツアー造成に繋がりにくかった。それに対して政府は、岸壁の長期優先利用を認めることを条件に、民間船社と港湾管理者が連携して受入施設を整備しクルーズ拠点を形成することで、より活発に訪日クルーズ旅客を増やす戦略をとった。政府は日本再興戦略2016の中で「訪日クルーズ旅客を2020年に500万人」に増やすことを目標としている。

【情報ソース】
鹿児島港を「『官民連携による国際クルーズ拠点』を形成する港湾」に追加で選定しました(第2次選定)、2018年02月27日、国土交通省

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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