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【開発】山形県・大蔵村と日本工営など、砂防ダムを活用した小水力発電事業を共同実施/未利用水を活用し、新たな収益源へ

2018.01.29 事業参画・売買レポート


 2018年01月22日、日本工営株式会社(以下、「日本工営」)は大蔵村、もがみ自然エネルギー株式会社、日本工営のグループ会社である株式会社工営エナジー(以下、「工営エナジー」)の3者の共同出資により、『おおくら升玉水力発電株式会社』を設立し、舛玉砂防堰堤を利用した小水力発電事業を実施することを発表した。

 日本工営は2008年より全国の小水力事業適地調査を実施している。その調査結果を受け、舛玉砂防堰堤を適地として選定、その後大蔵村へ提案したところ、同村の協力を得られたことから事業会社となる特別目的会社(SPC)の設立に至った。出資比率は大蔵村が49%、工営エナジーが48%、もがみ自然エネルギーが3%、社長には加藤正美村長が就任する。地方自治体と民間企業が共同で実施する水力発電事業として始動する形だ。

(舛玉砂防堰堤 出典:日本工営株式会社)

 当該事業は山形県大蔵村管内にある銅山川にある舛玉砂防堰堤を取水設備として活用して、未利用となっている河川水の高低差から発電を行うもの。堰堤直下には発電設備を建設する。砂防堰堤は貯水機能がなく本来土石流の防止として河川上流に構築される構造物だが、平時の状況を活かして新たな収益に換える。

 有効落差は約10.2mであり、最大使用水量は毎秒6立法メートルを見込んでいる。計画通りに進むと、年間の発電量は約3,500MWhとなり、一般家庭の使用電力量に換算すると約1,200世帯相当となる。発電された電力は固定価格取引制度(FIT)に基づき売電される。2018年4月に建設を開始し、竣工時期は2020年8月となる予定だ。

 事業費の大半を融資によって賄う計画であり、資金調達として山形県制度融資を利用したノンリコースのプロジェクトファイナンスを組成した。融資団は地元の金融機関である山形銀行株式会社などからなる。

 日本工営グループではこれまでに6つの発電所を保有している。出力の合計は2,035kW。砂防堰堤を活用した発電事業は長野県高井村における高井発電所に次いで2例目。日本工営は「今後も建設コンサルタントと電力エンジニアリングの部門を持つ強みを活かし、地域 のニーズに応える幅広いサービスを提供してまいります。」としており、地域特性に応じた再生可能エネルギーの導入を通じて、地域における電力自給率の向上を目指す方針だ。

(出典:日本工営株式会社)

*アイキャッチ 出典:日本工営株式会社

【情報ソース】
日本工営 山形県大蔵村と発電事業実施について合意 ~ 砂防ダムに沿う水力発電 未利用の高低差を有効活用 ~(*PDFファイルが開きます、533KB)、2018年01月22日、日本工営株式会社
おおくら升玉水力発電株式会社の設立の合意について、2018年01月25日、株式会社工営エナジー

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