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【ファシリティマネジメント】ゼネコン13社、LCCと長期修繕計画算定システムを共同開発/リニューアル提案型案件の獲得拡大を目指す

2019.06.06 トピック


 2019年06月03日、飛島建設株式会社(以下、「飛島建設」)や青木あすなろ建設株式会社(以下、「青木あすなろ建設」)は、ゼネコン13社(飛島建設、青木あすなろ建設、安藤ハザマ、大本組、銭高組、大末建設、大日本土木、鉄建建設、東亜建設工業、東洋建設、西松建設、NIPPO、ピーエス三菱)の共同で「建物のLCC(ライフサイクルコスト)と長期修繕計画の算定システム」(以下、「当該システム」)を開発したことを発表した。

(ライフサイクルコスト 年額と累計額 出典:飛島建設株式会社)

 当該システムは建物の長期的な経済性と省エネルギーの有効性を検討するためのツールとして考えられており、建物の長寿命化や建物のストック活用における計画の有効性・妥当性の検討などに使用する。事務所・共同住宅・病院・学校・倉庫・大型物販店の6用途、構造形式としてはRC造・S造・SRC造の3つに対応している。加えて、様々な職種(営業・設計・見積・工事管理等々)を通じてデータが活用されることを想定しており、誰もが簡単に操作できる簡単なシステムとなっている。

 当該システムの利用にはMicrosoft Visual Studio 2013(VB.Net)とデータベースソフト(Microsoft Access)を使用する。建物のライフサイクルを通じてかかるコスト情報がまとめられたデータベースは「BELCA(公益社団法人ロングライフビル推進協会)」をはじめ、公知のデータや「エネルギー消費性能計算プログラム(国立研究開発法人建築研究所のWebプログラム)」を活用して得られた計算結果に基づいた信頼性の高いものとなっている。

 入力段階では概算版(企画段階のラフな条件での大まかな算出)・略算版(基本設計程度の条件での比較的詳細な算出)・詳細版(見積内訳書程度の条件での詳細な算出)の3段階に分かれており、建物管理者の要求水準や既往データの有無等によって使い分けができる。他にも、以下の5つの特徴を持ち合わせており、多様な分析や帳票のアウトプットが可能だ。

  1. 設定を変えた3案の作成・比較が可能
  2. 入力条件により運用費(電気・ガス・水道料金)が変動する
  3. 省エネ項目の選択により省エネ性能の評価が可能
  4. 計算結果をExcel形式で出力できるため自由なグラフ作成が可能
  5. 坪単価入力機能によって簡単に建設費の調整が可能

(ライフサイクルコスト費用内訳 出典:飛島建設株式会社)

(年間光熱費構成比率 出典:飛島建設株式会社)

 LCCの算定では「建設費(企画設計費を含む)」、「修繕費」、「更新費」、「運用費」、「保全費」、「一般管理費」、「解体処分費」の集計表を年毎或いは累計で作成でき、部分的に年間光熱費を抜き出して比較することなども可能だ。同様に、入力データから「修繕費」、「更新費」を単年度毎に算出することで長期修繕計画としての活用ができる。

(長期修繕計画 年額と累計額 出典:飛島建設株式会社)

 共同開発したゼネコン各社は当該システムを活用した長期的な視点での建物建設や運営計画の立案を通じて、これまでよりリニューアルの提案型案件の獲得を目指す方針だ。

*アイキャッチ 出典:飛島建設株式会社

【情報ソース】
ゼネコン13社によるLCC(ライフサイクルコスト)と長期修繕計画算定システムの共同開発について、2019年06月03日、飛島建設株式会社
ゼネコン13社によるLCC(ライフサイクルコスト)と長期修繕計画算定システムの共同開発について、2019年06月04日、青木あすなろ建設株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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