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【インフラマネジメント】三菱電機、三菱インフラモニタリングシステムⅡが小田急電鉄で採用/鉄道トンネルの検査業務の自動化目指す

2019.03.27 トピック


 2019年03月25日、三菱電機株式会社(以下、「三菱電機」)は同社が開発した三菱インフラモニタリングシステムⅡ(以下、「MMSDⅡ」)が小田急電鉄株式会社(以下、「小田急電鉄」)が管理する鉄道トンネルの検査業務に採用されたことを発表した。国内の鉄道会社では小田急電鉄が初めてMMSDⅡを導入する。

 MMSDⅡは「Mitsubishi MMS for Diagnosis Ⅱ」の略称で、高密度三次元レーザーと高解像度ラインカメラを搭載した3次元計測・解析システムだ。三菱電機が宇宙システム事業で培った高精度測位技術が基になっており、GPS電波が届かないトンネル内でも正確な位置情報(経度・緯度・標高)を持った3次元点群データを生成できる点など強みを持っている。

 このMMSDⅡを搭載した軌陸車が線路を走行しながら、鉄道トンネルの高密度レーザーによる3次元点群データ(毎秒200万点/秒相当)と、8Kラインカメラによる高解像度の画像データの取得を行う。その際、時速50kmで走行が可能だ。

(MMSDⅡを搭載した計測用車両(線路走行時の状態) 出典:三菱電機株式会社)

 現場での計測走行を終えた後は取得したデータの解析作業を行う。この解析作業がこれまで行っていた現場での目視・チョーキング・変状(ひび割れや漏水など)のスケッチといった一連の作業に置き変わる形だ。MMSDⅡの導入で現場での作業時間は50%短縮(目標値)する見込み。加えて、点検作業後に作成する変状展開図や変状台帳等の各種ドキュメントの作成もソフトウェアを使用することでさらに省力化できそうだ。

(MMSDⅡ導入後のトンネル検査業務 出典:三菱電機株式会社)

 高解像度画像データでは幅0.1mm以上のひび割れ等の変状、高密度三次元点群データからは現状の覆工面の形状が一度に確認できる。また、検査を重ねることで画像データや点群データの解析結果を差分比較でき、ひび割れの進展やトンネル形状の経時変化などの把握も可能になる。

(左:トンネル壁面ひび画像(赤枠囲み部分)
右:トンネルの3次元点群データの例(構造物の変位量を色で表現)
出典:三菱電機株式会社)

 小田急電鉄では、MMSDⅡで得られた解析結果を構造物のライフサイクルコストの低減を目指したアセットマネジメントに活用する方針。将来的には計測・解析などの機能に加えて、計測データに基づくトンネルの健全度の判定まで自動化させたい考えだ。今後はその他の土木構築物(跨線橋、法面、擁壁等)への適用について検討も進める。

*アイキャッチ 出典:三菱電機株式会社

【情報ソース】
鉄道トンネルの検査業務を大幅に効率化 三菱インフラモニタリングシステムが小田急電鉄のトンネル検査業務に採用、2019年03月25日、三菱電機株式会社
2019年度からのトンネル検査業務にインフラモニタリングシステムを採用-鉄道トンネルの検査業務の自動化を目指します-(*PDFファイルが開きます、266KB)、2019年03月25日、小田急電鉄株式会社

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デロイト トーマツ|インフラ・PPPアドバイザリー(IPA)
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