【参画】住友商事、仏で2つの洋上風力発電事業に参画/発電容量996MW、総事業費約5,000億円

2018.12.20 事業参画・売買レポート


 2018年12月19日、住友商事株式会社(以下、「住友商事」)はフランスで開発が進む2つの洋上風力発電事業「ル・トレポール洋上風力案件」、「ノワールムーティエ洋上風力案件」に参画したことを発表した。2018年12月18日付けでそれぞれの事業の株式29.5%を取得した。

(発電所地図 出典:住友商事株式会社)

 ル・トレポール案件は英仏海峡洋上沖合約15km、ノワールムーティエ案件はフランス・ビスケー湾沖合約12kmの海域においてそれぞれ開発が進められている。これまではフランス大手電気・ガス事業者のEngie社とスペイン再生可能エネルギー事業開発運営者のEDP Renewable社が開発を進めていた。

 2つの洋上風力発電所の発電容量はそれぞれ496MW、合計した総発電容量は992MWになる。総事業費は合計約5,000億円、事業費の大半をノンリコースのプロジェクトファイナンスで調達する方針だ。長期の売電契約を基に、事業期間25年に亘って発電事業が行われる。

 ル・トレポール洋上風力案件の事業会社は「Éolien en Mer Dieppe Le Tréport」、ノワールムーティエ洋上風力案件の事業会社は「Éolien en Mer Iles d’Yeu et de Noirmoutier」。住友商事の参画後の出資比率は、Engie社が31%、EDP Renewable社が29.5%、Caisse des Dépôts et Consignations(預金供託金庫)が10%、住友商事が29.5%となる。(それぞれの事業会社での出資比率は同じ。)

 住友商事の洋上風力発電事業への参画実績は、ベルギーで3案件【ノースウェスタ―2(219MW)、ノースウィンド(216MW)、ノーベルウィンド(165MW)】、英国で2案件【ギャロッパー(336MW)、レースバンク(573MW)】。

 フランスのマクロン大統領は先月27日に、原発依存度を2035年までに50%まで引き下げる目標を発表している。加えて再エネ由来の電源開発を進め、2030年までに陸上風力発電量は3倍、太陽光発電量は5倍に拡大させる方針も示した。洋上風力発電についても今後新たに4ヵ所でのプロジェクトの入札を実施する。

*アイキャッチ 出典:住友商事株式会社

【情報ソース】
フランスにおける洋上風力発電事業、ル・トレポール案件およびノワールムーティエ案件への事業参画について、2018年12月19日、住友商事株式会社

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