2024.03.28
【グリーンボンド】日立造船、総額50億円のグリーンボンド発行を計画/ごみ焼却発電施設の運営に充当
2018.09.10 インフラ融資
2018年09月03日、日立造船株式会社(以下、「日立造船」)は国内市場において公募形式による「日立造船グリーンボンド」(以下、「当該グリーンボンド」)の発行計画について発表した。発行されれば、国内製造業において初のグリーンボンド発行となる。
当該グリーンボンドの発行額は50億円、2018年09月での発行を予定している。発行年限は3年。調達した資金は日立造船が受注し、現在建設が進められているごみ焼却発電施設の運転資金に充当される予定で、具体的には京都市発注の「京都市南部クリーンセンター第二工場(仮称)」と菊池環境保全組合発注の「菊池環境保全組合新環境工場」の2つとなりそうだ。
グリーンボンド発行に際し、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社と野村證券株式会社が主幹事を務める。グリーンボンドのフレームワークの策定やセカンドオピニオンの取得に関する助言等を行うグリーンボンド・ストラクチャリング・エージェントは三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社。リスクマネジメントに関する国際機関であるDNV GLビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社から第三者評価として、セカンドパーティオピニオンを取得している。
なお、第三者評価の取得には環境省の「平成30年度グリーンボンド発行促進体制整備支援事業」の補助金交付対象となっているようだ。
〇グリーンプロジェクトの概要
プロジェクト名称 | 京都市南部クリーンセンター第二工場(仮称) | 菊池環境保全組合新環境工場 |
発注者 | 京都市 | 菊池環境保全組合 |
工事名称 | 京都市南部クリーンセンター第二工場(仮称)建替え整備工事 | 新環境工場(ごみ処理施設)整備及び運営事業 |
対象業務 | ごみ処理施設・管理事務所・環境学習施設の設計および施工 (既存施設の解体、外構その他関連する付帯施設整備等を含む) | ごみ処理施設の設計・施工および建設後の20年間の運営 |
施設概要 | ・処理量:500t/日(ストーカ炉 250t/日×2炉) ・発電能力:14,000kW ・選別資源化設備:180t/6時間 ・バイオガス化設備:60t/日(30t/日×2系列) | ・処理量:170t/日(85t/日×2炉) ・発電出力:2,800kW |
竣工予定日 | 2019年3月末 | 2021年3月末 |
日立造船は、日本やアジア、欧州を中心に世界各国で900件以上のごみ焼却発電施設事業の実績がある。直近では中国福建省におけるごみ焼却発電プラントの設備工事の受注など、海外での需要に積極的な対応をする一方、国内ではPFI方式での事業運営まで実施している。グリーンボンドの発行により資金調達の多様化が促進され、これまで日立造船が勢力的に進めている環境分野での活動に弾みが付きそうだ。
*アイキャッチ Photo by Federico Beccari on Unsplash
【情報ソース】
・「日立造船グリーンボンド」発行に関するお知らせ~製造業における日本発のグリーンボンド事例~、2018年09月03日、日立造船株式会社
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